新型コロナウイルスが世界的に感染拡大し始めて、すでに1年半以上の時間が経過しました。
国内でもようやくワクチンの摂取が広まりつつあり、新型コロナウイルスの収束に一歩ずつ近づいて行っているのではないかと思っています。
しかし、安心することはできません。日本国内ではまだまだ感染拡大が止まらない地域もあり、不安がおさまらない人も多いでしょう。
新型コロナウイルスは、どのようにして感染が広まっているのか。そして、その感染に対して行われている対策は有効なのか確認していきましょう。
新型コロナウイルスとは
新型コロナウイルスは正式名称を「SARS-Cov-2」と呼びます。「COVID-19」とも呼ばれたりしますが、こちらは「Corona virus Disease 2019」の略称で「2019年に発生したコロナウイルス感染症」のことを指します。
新型コロナウイルスは、ヒトからヒトへ感染し、呼吸器症状を引き起こす感染症を発症させます。感染しても無症状の方もいますが、重症化して多臓器不全になることもあります。また、現在は様々な変異株が発生しており、日本国内ではほぼ100%に近い数字で感染者はN501Yのイギリス株に感染しています。
新型コロナウイルスのイギリス株は、従来株と比べ感染力が1.5〜1.8倍、致死率は1.6倍以上と猛威を奮っています。そしてさらにデルタ株というのも現在発生しているので、さらなる注意が必要になるでしょう。
新型コロナウイルスは、日本国内・外で未だ感染数は収まらず、その決定的な有効対策というのは打ち出されていません。
そこでパナセアからは、新型コロナウイルスの感染経路とともに、どのようなことに注意しながら対策を行えばよいうのか有効と考えられる方法を紹介していきます。
新型コロナウイルスの感染経路
新型コロナウイルスの感染経路にはいくつかあり、一般的には飛沫感染と接触感染があげられます。最近ではエアロゾル(空気)感染といのも考えられつつあります。
今回はその3つの経路で感染がどのように広がるのか、どのような対策が有効なのか確認していきましょう。
飛沫感染
各種メディアによると、飛沫感染が一番感染の可能性が高いとされています。
新型コロナウイルスの保菌者が、咳、くしゃみ、喋ったりする時に出る細かな水滴(ツバ)を飛沫(ひまつ)と言い、これが粘膜につくことで感染します。
この時の飛沫の大きさは5μm以上の大きさで、例えば口から飛んだ場合は1〜2mほど飛んで地面に落ちます。そのため、ソーシャルディスタンスは2m以上の距離を保つことで、この飛沫感染から身を守ろうと昨年から言われています。
接触感染
飛沫感染は、保菌者から出るツバなどが直接第三者の粘膜につくことで感染するものでした。
接触感染というものは、保菌者から出た飛沫がドアのノブにつき、第三者がそのノブを触り、さらに自分の目や口を触る、または手掴みで食事をすることで体内にウイルス・菌が入り込み起こる感染です。
このとき、目の前に感染者がいないこともあるので、いつどこでウイルス・菌をもらってしまったのか分からないことがあります。
そのため、不意に目や口を触らないように外ではマスクをして、こまめな手洗い・うがいをすることが重要となります。
空気(エアロゾル)感染
新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた当初は、このエアロゾルによる空気感染というのは諸機関から否定されておりました。しかし、最近では「空気感染もあり得る」と少しずつ言われるようになりました。
エアロゾルというのは、飛沫(5μm)よりもさらに細かな粒子のことを指します。その細かな粒子が空気中を漂い、人がそれを吸い込むことで感染してしまいます。
ウイルスは人の体内から出てすぐに死んでしまうということはなく、空気中では3時間は生存することがわかっています。また飛沫で飛んだウイルスはプラスチックやステンレスの上では2〜3日は生存し、飛沫が乾いて空気中に飛んでしまうと、それもまたエアロゾルとなり感染します。
マスクの表面では1週間ほど生き残るため、こまめに取り換えたり、使用後はしっかりと処分するようにしましょう。
有効な感染予防
現在、新型コロナウイルスに対して有効な感染予防対策として、いくつかの方法があげられます。
一つ目は「手指消毒」
二つ目に「換気」
三つ目に「空間洗浄」
この三つの方法が、どのように有効なのか確認していきましょう。
手指消毒
手指消毒は、手に除菌剤をかけるだけでなく、しっかりとした手洗いを行うことが重要です。
手洗いをすると、手についているウイルス・細菌類を100分の1まで減らすことができます。石鹸等の洗剤を使用することで、さらに100分の1にすることがでます。水洗いと洗剤使用をあわせることにより、手についているウイルス・細菌類を1万分の1まで減少させることができるのです。
例えば手に100万匹のウイルス・細菌がついていたとしても、しっかりと手洗いを行うことで100匹までその数を減らすことができます。
その上で除菌剤等を使用することで、さらに有効的な手指消毒を行うことができるでしょう。
たかが手洗いとは思わずに、指の間や爪の中までしっかりと綺麗に洗うことが重要です。
換気
新型コロナウイルスのエアロゾル感染というのは、感染者から発せられたものが空気中に漂い滞在し、他者が吸い込むことで感染してしまいます。
ウイルス感染というのは、1個のウイルスが体内に入ったからといって発症することはあまり考えられません。ほとんどの場合、数十〜数千個単位で体の中に入らないと感染症を起こすことはないでしょう。
つまり体内に多くのウイルスが入り込む状況を、極力作らなければ良いのです。
ベストな状況というのは、風通しの良い広い屋外が一番なのですが、いつでもそのような状態でいられるとは限りません。オフィスや教室、人が集まるスーパー等は密集してしまいウイルスを持っている人がいた場合、あっという間に室内全体にウイルスの粒子が行き渡ってしまいます。
そんなときは、徹底した換気を行うことでウイルスを分散させてしまいましょう。
最低でも2箇所の窓・扉を開けて空気の流れを作ることが重要です。空気がちゃんと流れているか、スプレーを噴霧して空気の流れを確認してみたり、最近では「二酸化炭素濃度計測器」というもので、十分に換気がされているか測定する機械もあるので活用してみましょう。
また、窓がないビルの中などでは空気清浄機の使用かオフィスのドアを開けて廊下に向けて扇風機を使用することで、室内の換気を行うことができます。
ウイルスから身を守るために、しっかりと換気を行いましょう。
空間洗浄
昨今、ショッピングセンターや様々な店舗の入り口に除菌剤を噴霧する装置が設置されています。これは、広く空間洗浄・空間除菌に対しての認知が広がっていることが伺えます。
除菌剤の空間噴霧は、空気の流れに乗せて微粒子の除菌剤を部屋の隅々にまで届かせることができます。
この時に空気中にウイルス・細菌類が浮遊している場合、除菌剤と触れて反応することにより、ウイルス・細菌類を不活化させることができます。
ウイルス・細菌類のエアロゾルが舞っている場合この空間洗浄・噴霧は特に有効で、室内を清潔な状態に保つことができます。
除菌剤を噴霧させる場合は、どのような製品を使用するか安全性を確認しなければいけません。
たとえばアルコールを噴霧してしまった場合、火器などをしようしてしまうと火災の原因になったり、噴霧されたアルコールを吸い込むと体調不良の原因になったりします。
人体に対して安全であるかを、ちゃんとしたデータが備わっているのか
使用前に製品のHPをチェックしてみるのも良いでしょう。
最後に
新型コロナウイルスの感染はまだまだ拡大しつつありますが
ひとりひとりが注意することで、その拡大は少しずつでも抑えることが出来るはずです。
現在行われている感染対策が、なぜ有効とされているのかしっかりと意識しながら
自分と周りの人を守るためにも、感染しないよう自己防衛をしていきましょう。